2014年07月30日
武田のブログ
今回は、武田が担当させて頂きます。
今日ご紹介する本は、「目からウロコ」シリーズ第二弾。
「インサイドボックス」
ジェイコブ ゴールデンバーグ他著 文藝春秋刊 2014年発行
この時期、蒸し暑い会議室の中で缶詰めにされたってろくなアイデアは出てきませんよね。
もともと僕は「会議」が大嫌い!
会議から独創的で革新的なアイデアが生みだされたという経験がないからですが、「じゃあどうやんのよー?」という問いに対する解がこの本には書かれてあります。
著者の1人であるゴールデンバーグ氏は、ウォールストリートジャーナル紙で「世界を変える10人」に選出されたこともあるコロンビア大学の気鋭教授。
これまで画期的な発想や発明は、スティーブ・ジョブズなど一部の天才のひらめきからしか生まれないものだと思われていました。
凡人の枠の外(アウトサイドボックス)というのが常識。
ところが、著者は、この考え方に真っ向から反論します。
400以上もの事例研究から、創造的な商品が生まれる過程には”ある共通のパターン”があり、その手順や型を学べば誰でも創造的になれるという事実を発見しました。
しかも!創造は枠を取っ払って自由に発想するよりも、ある制約の中で考えた方が生まれやすい!
「インサイドボックス」というタイトルはここに由来します。
これなら「型」が好きな僕ら日本人でも、何かと馴染みやすい!
さて、本書では、制約の中からイノベーションが生まれる過程は、ほぼ5つの方法論(=型)に集約されると述べられています。若干数学的なにおいがしますが、気にするほど難しくありません。
● 引き算
● 割り算
● 掛け算
● 一石二鳥
● 関数
あれれ?「足し算」がないぞ?、というが最初のポイントです。
単に要素を付け足しても効果はないということ。つまり新築住宅に床暖房を付けて売っても、革新的であるとは言えないということです。お分かり頂けますか?
そして、この本の中で僕が印象的だった方法論を二つ。
1つは「引き算」の考え方を利用した、モトローラ社の携帯電話「マンゴー」です。
なんと、この携帯電話、電話をかける機能がない! これがイスラエルで爆発的にヒットしたのはなぜでしょう?
正解は、電話を受けるだけの電話(受信専用電話)だったからです。
子供向け携帯電話ということで、危険から子供を守る為、必要にして十分な機能を持ち、かつ低価格ということで子供達の親から支持を得たというわけです。このように「引き算」とは、ある要素を取り除き、シンプルにしてしまうことなのです。
続いて問題。ジョンソン&ジョンソン社が、高度な外科医療機器を売り込む新人営業マンを訓練するため、研修講師を雇いました。さて、誰を講師にして大成功をおさめたのでしょうか?
正解は、顧客である外科医です。
製品が現場でどのように使われるかを最も詳しく知っている顧客を講師役にすることで、新人社員はマニュアルには書いていない貴重なことを教わることができ、研修費用が大幅に削減されました。しかも、営業部員と顧客との関係が飛躍的に向上し、J&J社の製品を使い続ける確率が高まったといいます。複数の機能を持たせることでオリジナリティを出す。これが、「一石二鳥」の考え方です。
他の3つの方法もどれも面白いのですが、紙面の都合もあるので今回は割愛します。
是非、この続きは本書を一読頂き、インサイドボックスを使って、楽しい会議にしてください!
今回更新日は、平成26年7月30日
次回予定日は、平成26年10月8日
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