2015年04月15日

武田のブログ



「おはよう朝日です」という素晴らしい人気長寿TV番組をご存知でしょうか。

大学入学を機に始まった大阪生活ですが、僕の目に「大阪の朝の顔」として飛び込んできたのが、宮根誠司アナでした。
朝も夜もNHKのニュースしか流れていなかった実家とは一変、「大阪は朝のニュース番組ですら、こんなに面白いんだ〜」とカルチャーショックを受けたのを今でも覚えています。
そんな人気番組のメインキャスターを、約20年間も不動のポジションとし務めていた彼の役を受け継いだのは、浦川泰幸という無名のアナウンサーでした。

絶対コケると思っていましたが、浦川アナは、あのアクの強い宮根キャラの後釜という大変なプレッシャーをはねのけ、見事に下馬評を覆す安定した高視聴率を維持しました。
この偉業は彼のオタクキャラだけで成し得たことでしょうか?

いいえ。実は「おは朝」とは、キャスターが変わるくらいではびくともしない、他の番組の追随を許さぬ強固な「システム」だったのです。

僕が、こう考えたのはこれから紹介する本を読んだことにあります。



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「社長の生産力を上げるシステム思考術」 サム・カーペンター著  
ダイレクト出版刊 2014年発行  3700円+税
今回の本、めちゃ高かったです↑
4000円もする本に救いを求めるほど僕も相当追い詰められていたわけですが(泣)



 原題は「WORK THE SYSTEM」。著者はアメリカの電話応対サービス会社の経営者です。
著者曰く「会社は機械である」。
一般的に「企業は人なり」と言いますが、真っ向から否定する逆説的な考え方に惹かれました。3回も改訂しているだけあって、真実に向いた、説得力ある深い内容になっていて金額は十分ペイします。
 

「世の中は、自然界同様いつも機械のように規則正しく正確で、99.9%はうまく回っている。その力は圧倒的で避けることができず、秩序的で永続的な機械のようなものだ。しかし何故経営者は、この偉大な力を借りずに、事を成そうとするのか?」
著者は、ある日シンプルな結論に突然目覚め、システムの働きを台無しにしないように細心の注意を払い、一つずつ修理することこそが経営者の一番大切な使命だということを悟りました。
 

世の中みんな『システム』で出来ている!


話は「おは朝」に戻ります。
 視聴者は朝起きた時、キャスターの顔を見たいがためににチャンネルを変えるでしょうか。
とりあえず今何時何分?に始まり、時事ニュース、天気予報、スポーツの勝敗、芸能情報、占いなどを視聴者が知りたいタイミングで見たいのではないでしょうか。
「おは朝」には、適材適所でタレントがいます。お天気の正木アナ、エレクトーンのお姉さんに加えて、芸能の井上公造、日替わりコメンテーター石田純一、野々村真、たむけんなどの脇役タレントの存在が光ります。

つまり、カリスマキャスターがいなくても常にバランスよくタレントが配合起用され、随時修正されながら絶妙な情報バラエティー番組に仕上がるよう製作された修正の過程こそが「おは朝」の神髄なのです。そこがタモリやさんまの長寿番組と決定的に違うところだと思います。


ちなみに、この4月からは浦川アナの後任に岩本計介アナが起用されましたが、私見ですが番組に全く支障・遜色はありません。
朝起きて視聴者が観たいのは、これまでもこれからもずっと「おは朝」というシステムだったのです。


会社にも「おは朝」のようなシステムがあればいいな、と真剣に思います。
そうしないと問題やトラブルが頻繁になった時、特定の人しか解決できないということになれば、毎日がモグラ叩きのようになってしまいます。最初はボカスカ叩いて爽快だけど、だんだんモグラのスピードが上がってくると疲れて体も心も蝕まれます。そしてふと見渡すと、周りには自分以外ハンマーを振り回す者はいないと知ったら…。

著者は、そんな時、落ち着いて、出来事の外側の、少し高い地点から出来事を眺めてみようと言います。何が99.9%うまく流れているシステムを遮る0.1%の要因なのか?考えるようアドバイスします。これが「システム思考」です。

僕のような人のことを、「単なる問題の火消し屋」とバッサリ切り捨ててくれたたこの本に感謝したいと思います。

それではみなさん、「フォースとともにあらんことを!」(映画:「スターウォーズ」より)




今回更新日は、平成27年4月15日
次回予定日は、平成27年6月10日




posted by YORKBELLスタッフ at 22:39| Comment(0) | TrackBack(0) | スタッフブログ
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