2014年03月05日

武田のブログ


今週は、私武田の当番。とっておきの本をご紹介します。
元気出していきましょう!



「太平洋ひとりぼっち」 堀江謙一著 舵社刊 2004年発行

太平洋.jpg


伊丹の「ブックランドフレンズ」という面白書店で見つけました。



「堀江謙一さん」という名前、若い方は多分知らないと思います。

1962年、エンジンもない全長5.8mの小型ヨット<マーメイド>に乗って、西宮港を出発し、はるかサンフランシスコまで日本人で初めて単独無寄港で太平洋を横断した人です。


昨年、周到な準備で臨んだにも関わらず、あっけなく転覆して自衛隊に救助されたアナウンサーの騒動はまだ記憶に新しく、堀江さんの偉業は航海技術が進歩した50年後の現代においても色あせることはありません。
 

成功の要因は、独創的な「準備力」につきると思います。

横断成功の為には、必要なもの以外、極限までそぎ落とさねばなりません。
本書には搭載品リストが詳細に書かれていて、そのムダのなさ=準備力には感服させられます。
食糧、衣料品、薬、道具、本などにいたるまで全て自分セレクトで理論があります。これは緊急時の備えにもとても参考になると思います。

船体を軽量化する為、一番のテーマは飲み水をどれだけ持っていくかということ。
堀江さんが自ら緻密に計算しつくした結果、全部でたったの68ℓ 。1日たったの0.56ℓです。船乗りの常識では一人当たり1日平均4ℓということですから、いかに非常識であったかが分かります。
しかも到着した時にまだ10ℓも残っていたというオチまでありました。



さてここで問題。 航海中、最も役に立った道具は何だったと思いますか?









答えは「トランジスターラジオ」。

淋しい時に聴くのかな?と思うのは極めて浅い考えです。
実はこのラジオ、360°見渡しても海しかない太平洋のど真ん中で役に立ちます。
くるくると回すと、向きや角度によってハワイやカナダの放送をかすかにキャッチすることができたのです。これを利用して目的地の方角を割り出すわけです。これが天体側よりもはるかに正確だったといいますから、う〜んサバイバル!男のロマンですね〜。
スマホがないと生きていけない今の若者に、この話をして説教してください。(笑)
 
強烈な台風に見舞われたり、サメの大群に遭遇したり、方角を誤って後戻りするエピソードも実話だから興奮します。
感動のフィナーレはシスコの港に灯がともるのを遠くで眺めるシーン。涙がこみ上げます。


ほかにも、「孤独」と「孤立」の違いについて堀江さん独自の見解が書かれている部分があります。

「孤独は我慢すれば耐えられるが、孤立はとても耐えられるものではない。」


この本を読んだ後に知ったのですが、堀江さんという人は、その成功への飽くなき執念から、周囲から誤解されたり、トラブルも多かったそうです。
詳しいことは知りませんが、偉業を成し遂げた人しか分かり得ない真の「孤独」が、海ではない場所にあったのだと思いました。

みなさんもこの本を読んで、しばし「ひとりぼっち」に浸ってみませんか?


今回更新日は、平成26年3月5日
次回更新日は、平成26年4月30日




posted by YORKBELLスタッフ at 19:23| Comment(0) | TrackBack(0) | スタッフブログ
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